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DATE: 2011/06/02(木)   CATEGORY: 上演記録
【外部演出】動機
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(泉関奈津子(左) 、いずみひな)


この『動機』という作品が上演してみたかった、というのがそもそもの今回の演出の「動機」でした。

大変失礼な話、生意気な話で申し訳ないのですが、これまで日本でもフランスのでも、いくつかこの『動機』を拝見しましたが、あまり芳しい記憶がなかったということがあります。

面白いもの、上手なもの、はあったと思いますが、いつも「それだけじゃないだろう」という気がしてなりませんでした。



逆に余談ですが、『関節炎』については、かなり完成度の高い優れたものを拝見しているので、ハードルは高いばかりで損だなあ、なんて思っていました。



昨年の35周年記念公演の、ギィ・フォワシィさんが来日された時、同時に10年間に『動機』のソフィアを演じた、女優のソフィ・マイヤールさんも対日されていて、この戯曲についての兼ねての疑問、などなど伺える機会でもありました。その時は、今回急に『動機』を上演することになるとは思っていなかったのですけれども。



この『動機』については、ある程度の方向性の確信を持っていました。

どうしてうまくいかないのか、どこに罠があるのか。ソフィアの事、ご主人の事、ソフィの事・・・。

どうして板に乗せると、「おしゃべりな有閑マダムの話」に陥ってしまうのか、考えが足りないか、考えすぎていないか、一応の腹案をもってのぞみました。



また、この作品ほど、他のフォワシィの作品同様に、これほど俳優さんの技量を要求されるものはありません。

その意味で、(本当に奇跡的に)待望の俳優さんのスケジュールが確保できて、理想的なメンバーで、しかもダブルで、創作することができました。



Aキャストの泉関奈津子さんは、フランス喜劇のご本家NLTの俳優さんです。

翻訳劇のプロらしい、綿密で専門的な台本の解釈と言葉選び、もろもろの周辺事情への目に見えない配慮、

とても貴重でした。

演出の、立ち稽古移るまで、出来るだけ長い時間を読み合わせ、打ち合わせに費やしたい創作手順とも、とても相性良く助かりました。

そしてお相手の、いずみひなさんも、念願のコラボ。ある意味天才。別の意味でも天才。とにかく魅力と興味の尽きない女優さんです。(ほめてます)

さらに、この似て非なる、というより違うのに似ているような気もする美人女優お二人、ダブルイズミの組み合わせは、それだけで大変なハプニングだったわkです。



相乗効果への高い期待と、あるいはまったく壊滅してしまう恐れを持ちながら、もの凄い緊張感で稽古がすすみました。

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(稽古風景)


そしてこの緊迫感は、本番まで続きました。

正直、本番の3日目、4日目まで、『動機』の上演後は腰が抜けたようなどっぷり感、とても30分強の作品とは思えない高揚感を味わう事が出来ました。



劇場空間にもらたす目に見えない緊張感は、客席との間で作り上げるもの。

たぶん、この空気は、同じキャスト、同じ台本で再演したとしても再現できないものではないかと思いました。

改めて演劇は固有の魅力をもつ芸術だと主張したくなりました。




Bキャストでは、全く同じ台本にもかかわらず、最初から全く違うアプローチでした。

当然です。なので、スタッフさんからも、劇場の方からも指摘されましたが、これは世に言う『ダブルキャスト』

とは違うのもだろう、ということだと思います。

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(吉澤緑(左)、石巻美香)

石巻美香さんは、民藝の俳優さんです。大ベテランの皆さんが集う民藝の中ではともかく、一般的には成熟の域。一番女優さんとして充実しているときに、あえてお願いしてこんな不条理な翻訳劇に巻き込んでしまいました。

当初から、この正統派の女優さんは、ソフィアの最後の決め台詞を、どういう風に持ってくるのか、とても興味がありました。

そして、稽古期間中も慎重に探りながらじっくり堅実に役と向き合っておられました。

どうなったか、はこの後まだ、北海道公演がありますので、内緒にしておきます。
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ソフィアの追いつめられ方、持っている背景、ABそれぞれの役へのアプローチの違いは、演劇としてとても
興味深いものでした。よって、営業的な宣伝ではなくて、本当に多くの方々にAB料キャストを見比べてもらいたいと思いました。



相手役の吉澤緑さんは、全キャストの中で一番の若手で、この抜擢でいろんなプレッシャーもあるだろうと心配していましたが、全く心配無用でした。

さらに、たぶん一番最初にセリフも覚え、一番自主稽古もやってもらったように思います。

逆に、周囲がプレッシャーを感じていたのではないかと思うくらい、アッサリといつも通り、期待通りのキレのある正確な演技を持ってきていただきました。



稽古過程、どこかですっ転んだらしく、顔面に絆創膏、脚に包帯を巻いて稽古場に来た時が、一番心配しました。

舞台の上が一番落ちついていて、私生活ではひょこひょこ落ち着きがないのでは、と思いきや、最後は結構風格が出てきていました。



Bキャストは、あと一回、北海道の北見で旅公演があります。

シアターχとは全く違った空気の下、このブラック極まりない話がどのように受け止められるのか、今から楽しみです。



(写真=中川忠満)

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